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役割とその器

2016.07.24更新

毎日忙しい生活の中で…自分に求められている役割の種類が数年前と比べ、圧倒的に増えてきた実感がある。自分が望んできた状況の中で、そうなってきたのだから…違う角度から見れば嬉しい状況たが、時に悩みの種となる。

もちろん…人それぞれに役割があり、その事により充足感を得られたり、足りない自分が見えてくるので、より成長していくため(生きていくため)には、その種の悩みも…無くてはならないものなんだろう。

自分にとって一番重要な役割だと認識していることは…間違いなく患者様にとって有益なDr であり続ける事。医学の進歩は日進月歩…とにかくいつまでも謙虚な気持ちで勉強し続け、自分のクリニックで目の前の患者様に最新情報を発信し続ける事だと肝に銘じている(一期一会)。この器は…大丈夫。この職業が大好きだし、誇りを持ってより大きくしていける自負はある。

開院以来…一番苦手なのが院長としての役割。院長職の中でも、Dr よりの役割ならそつなくこなす自信はある。経営者的な側面も、『本当に患者様のためになるのか?』と考えていれば自ずと正しい答えが見つかるし、どうしようも無く迷った時は『自分がこの決断で楽しいか?』…自問自答して決断するので後悔もしないし、ある種の信念があるから、意外とそんなに悩まないですんでいる。

だが…スタッフ達にとって良い院長?スタッフ達にとって良い職場環境?…考えだすとこれ程までの難題は無い事に気がつく。職場環境は、社労士さんと一緒にシステムを構築すればある程度歩み寄れるだろうし、他業種の職場でも良いと思えるアイディアは積極的に取り入れる努力はしている。

恥ずかしい事だが、患者様に対して良いDr…に対する答えは持ち合わせているが、スタッフ達にとって良い院長?…の答えは皆目検討がつかない。今まで考えた事も無かったし、必要に迫られて必死に考えるが、いつも堂々巡り。答えが出ずに結果、自分のリーダーたる器の小ささに気付き自信を失う…。私が考える理想的なリーダー像は、自分の考えをしっかりと、冷静に部下に伝え動かせられる人物なんだと思っている。

私は…何故か患者様に対して良いスタッフの在り方やこうして欲しいの回答は数多く持ち合わせている。理想だけは高い。だからこそ…『伝え方、伝える力』を身に付けなければ…今一番欲しい能力であり鍛えなければならない器である。

仲の良い友達や同じ院長仲間、最愛の妻には…考え過ぎの気の遣い過ぎ、もっと割り切ったら?…なんて励まされる事が多くなった。変なところでスタッフ達に気を遣い精神的に疲れる…疲れるから、感情が表に出過ぎて真意が伝わらなくなる。「もったい無いよ」私の事を良く知っている人達だからこそのアドバイスなんだろう。

ある高崎の先輩開業医の先生とスタッフの在り方で話す機会を得た…そこでは全職員が受付業務から検査業務、診察室介助業務をまんべんなくこなせるらしい…結果、患者様をなるべく待たせないように助けあう雰囲気が自然とスタッフ間で出来上がっているとの事。まさに理想の形態…。

また、私の人生において、もっとも嬉しい役割は…父親としての器を磨けている事。でも正直、毎日分からない事だらけ、育児本をいくら読んだって、正解なんて無いんだと思えてくる。忙しさにかまけていると、いつの間にかこんな事が出来るの?こんな事考えるようになったの?驚きの連続で毎日楽しい…。息子達には、成人したら、ワインを教えてあげたいし一緒にゴルフもしたい。人生に希望を与えてあげられる父親でいたいし、彼らの一番の理解者でい続けたい。

下之城眼科クリニックは、当初は、私が医師としてだけの理想を掲げ、立ち上げました。今や賛同してくれる仲間達や、多くの患者様や紹介を頂ける先生方が頼りにして下さいます。本当にありがとうございます!その分、患者様一人一人をお待たせしてしまう時間が増えてきてしまい、ご迷惑をおかけしてしまっているのが現状です。

下半期に向け、私は私なりにリーダーとしての器を大きくする努力をして、患者様にとってより良いクリニックとなる改善案を示し続け、うちのうちなりの理想型(患者様本意)をスタッフみんなと協力して模索し続けます。
それが…患者様満足度につながり、微力ながら地域医療に貢献する術だと考えるからです。

硝子体手術ビデオセミナー

2016.06.12更新

早いもので…第15回目。年に1回、この時期に、品川のコンファレンスセンターで行われるセミナーに振り返ると…7年連続で参加している。

硝子体手術セミナー

 

初めて参加した時は、自分がやっている事とのレベルの差に愕然としていた記憶があります。笑
当時とは、講師の先生達もだいぶ顔触れが変わったが、ここ数年は固定されてきた印象。

講演内容は、大きく変わることは無いが…何かアップデイトできる情報を期待して毎年参加するようにしている。
実際の手術ビデオを供覧出来るので、実際の予定時間よりも短い時間に感じる好きなタイプのセミナーだったりする。
目的は、日々自分が、クリニックで行っている硝子体手術のレベルの再確認。

あと、必ず参加される関西の知り合いの先生や医局の後輩達に誰かれ会えるので…ランチタイムでの束の間の情報交換。こっちの方が、本命になってきた…ここ数年。笑

今回、網膜剥離や糖尿病性網膜症について、ちょっとしたエッセンスを得られた事や、学会では決っして見られない講師陣達のトラブルシューティングや質疑応答での考え方などを生で拝聴出来た事は…やはり貴重で勉強になりました。

習慣

2016.06.07更新

社会人になってから…かな?…完全に朝型人間になっている。例え夜遅くに寝ても翌朝決まった時間に目が覚める。いつからだろう?大学時代も、親友に誘われたサーフィンに夢中になっていたから…やっぱり早起きしていた。そう考えると、自分の生活リズムに、早起きは性に合っているようだ。

夜の静けさよりも…早朝の静けさや清々しさは、まるで世界で私一人だけに向けられたご褒美なんじゃないかと思えて少し嬉しい。笑。
ましてやこのリズムを手に入れてからは…午前が長いこと長いこと。休日なんて午前でかなり濃い内容の事(仕事も遊びも)が出来る。自分は元来身体を動かすのが好きなタイプだから…早朝の海(これから特に良い季節)や早朝ランニング、早朝ラウンド(ゴルフ)なんて…爽快だし、道やその場も空いてるし最高!人生得した気分になってくる。笑。

今は、もっぱら5歳になる息子を毎日定時に起こして…公園で一緒に遊んだりしている。当たり前だが、遊具を独占出来るし、並ばずにすべての遊具で遊べる。自然と息子も早起きの良さを実感してくれているかな?もちろん2人の会話も増えるし、一緒に食べる朝ごはんが特に美味!

自然と身に付いた早起きの習慣。今後も…私の人生で三文の得以上の恩恵をもたらし続けてくれるんだろう。息子にも…。

onとoff

2016.04.28更新

つい最近年越ししたと思ったら…大型連休(GW)。とにかく時間の経つのが早い、物凄く早い…。

開院以来、日々充実した時を過ごさせて頂いているおかげだと…皆様に感謝しています。

今は、朝診察が始まると、あっと言う間にお昼。午後外来が始まると、直ぐに夕方。昼休みも取れない日もちらほら…。職員みんなも私も患者様との出会いを一期一会と捉えて真剣だからこそ…時の経つのが早い!のかな?

そんな嬉しい日々の中で…私が一番心理的に苦手なのが、まさに大型連休前の数日間。常日頃、出来る限りの緊急対応を心情に対応させて頂いているので…その術後経過に充分な日々が無いこと…。

一番辛いのが、自分に経験があり、充分に良い経過をもたらせれる確率が高い患者様をクリニックの(私の)都合で紹介しないといけない時。

もちろん…個人クリニックが手に負えない状態の患者様には大学病院を迅速に紹介していますので、御心配無く。

良く…日本人は、働くために休み、欧米人は、休暇のために働くと聞きます。私は良い仕事をするために真剣に休み、休暇を充実させるために真剣に働きたいです。笑

昨日、まさに休暇前日の午後外来で…ある患者様が網膜剥離で来院されました。もちろん…その日に緊急対応させて頂き、今朝の診察でも経過良好な状態でした。

以前にも同じような光景が何度か…うちの職員達は、今日緊急をやるんだろうな?明日は、出られる人が診察につこう…なんて考えてくれたんだと思います。笑

うちの常勤職員達みんなが…その患者様の経過を気にかけてくれています。

本日から、5月5日まで職員一同…長期休暇に入らせて頂きました。当院で手術を受けられた方であれば…緊急連絡先をご存知かと思いますので、何かあれば連絡ください。当院の手術サイトからメールで問い合わせも可能です。

休暇明けから、また笑顔で、より良い医療を提供できるようゆっくり私も休みたいと思います…。

手術サイトには、より手術に特化した内容のブログを載せています。興味のある方はぜひそちらもご覧下さい!

レーザー白内障手術

2016.04.22更新

先日…埼玉の七里にある七里眼科クリニックの院長である山崎健一郎先生のご厚意とアルコン社の助けを借りて七里眼科クリニックの手術と施設見学に行って来る事が出来ました。

レーザー白内障手術…最先端レーザー装置(フェムトセカンドレーザー)を使用した近未来の白内障手術です。全国にも、まだ数えるだけの施設にしかありません。

以前から個人的な興味がありまして…うちのORTの保坂君と看護師の岩淵さんも巻き込み一緒に見学、勉強してきました。

 

レーザー白内障手術

 

七里眼科クリニックの山崎先生は…なんと数年前に、日本で初めてその機械を導入して、今や日本一の症例数をこなされている先生です。その先見の明と患者様に対する熱い思い(より良い技術を患者様に提供する)は、同じ術者として経営者として、見習うべきところが多々ありました。

当院でもそうですが、全国で行われている一般的な白内障手術の全行程は、術者であるDr が人為的操作でやっています…レーザー白内障手術は、一番手術でクオリティーの差が出る箇所(前嚢切開)と難症例ほど合併症の起きやすい箇所(核分割)、また傷口作成(角膜切開)をフェムトセカンドレーザーを使って機械的に安全かつ正確に行う事が可能です。その他の工程は、従来どおり人為的操作で行います。

慣れれば…術者として難症例や前嚢切開のストレスから解放される手術(もちろん機械のセッティングや微調整など他の部分での新たな知識やテクニックは必要になりますが…)になり得ると同時に、患者様には今よりも精度の高いより安全でより綺麗な手術を提供する事を手助けしてくれるツールだと確信しました。

当日は、助手についてその全行程を複数例の患者様で見学させて頂きました。特筆すべきは…痛く無く、綺麗な仕上がりの白内障手術が安全かつ確実に行えること。レーザーが担う箇所は約20秒程度です…が、あくまでも補助的ツールと捉え、術者主導で対処法を間違えなければ、合併症は皆無。

実は…私自身LASIK体験者です。(術者としても患者としても)研修医時代に…ある先輩Dr に新薬(点眼)も新しい技術も可能なら自分が身をもって体験しなさいと…。当たり前ですが、経験すれば、される側(患者様側)の気持ちが分かります。体験に勝る勉強なし…。

レーザー白内障手術…将来必ず自分も白内障になります。さらなる技術革新があるでしょうが…現時点で自分の大切な人達(家族など)にも勧めたい技術ですし、自分も受けたい技術だと思いました。では、目の前にいる患者様にはどうか?答えは明確です。

ただし…今のところ保険適応では無いので、多焦点眼内レンズのようなプレミアム手術(自費)としての位置付けになります。金銭的なハードルが、当然のしかかります。

決して誤解されたくないのは…今現在、自分が保険でやっている白内障手術のレベルもかなりの高水準だと自信も自負もあります。万一の合併症に対する対処も全て対応可能だという事。

医療は、日々目まぐるしく進歩しています。技術革新を支える技術者達。患者様のためになる技術をより成熟させていく先駆者のDr 達。私には、そんな才能はありませんが…一臨床家として彼らに共通する情熱(患者様のためになる)だけは見習い、現状の医療水準に満足する事無く、日々勉強の精神を持って(患者様の為になる)高崎で地域医療の発展に貢献していきたいと思います。

レーザー白内障手術の第一人者である山崎健一郎先生に会ってきました。山崎先生は、導入当時の苦労話(Drとして経営者として)や数多く経験された裏付けからくる大変為になるお話も楽しい食事会の中で、素敵な奥様と一緒にしてくださいました…いわゆる酒席での裏話。同じ術者として感銘を受ける内容やある迷いが吹っ切れ勇気付けられた内容もありました。

誠にありがとうございました。私は、このご縁をぜひ大切にしていきたいと思います。うちのスタッフのみんな…また一緒に勉強しようね!

難症例に挑む

2016.04.12更新

何故か?…他のクリニックでは手術不可能のレッテルを貼られ藁をも掴む心情で当院に受診される患者様がいます。

決して、自分が特別なわけでは無く…患者様の気持ちに寄り添った結果、今までの経験をフルに活かして、可能で最善な方法を提案するだけ。少しだけ、使命にも似た気持ちが湧き上がりますが、最終的に患者様やご家族様に理解や信頼を得られるか…。一期一会の勝負。

外科医として…患者様が手術を希望されて、私を信頼してくれる。自分が持っているのは、昨日まで積み上げてきた実績とそれに基づく自信のみ。一般的なリスクはもちろんお話しますが、未経験な病態や難症例には…正直恐怖やストレスしか存在しません。

でも、難症例も未経験病態も…じっくり腹を据えて向き合うと、今まで経験してきた病態がそれぞれ複雑に絡みあっているだけだと気づかされます。そんな時は、ゆっくりとした心持ちで、パズルを解く要領で…より確実により正確に全力を尽くすのみ。

そんな決意で臨んだ手術や主役の患者様には、特別な感情移入が出てしまいます。病態が快方に向かい…患者様に感謝や労いの言葉を頂けるのは至福の瞬間です。

ただし…手術である以上、私が思う成功と患者様が感じる術後の感覚にギャップが生じる事は軽視出来ません。

手術のストレスから…他の新たな全身的な疾患を患い苦しんでいる患者様も現実にいます。視力結果や診察結果では異常が無いため、決して理解してあげられない本人にしか分からない苦しみ…。

今までの眼科人生…手術で感謝された患者様の数が圧倒的に多いと実感しています。が、やはり真摯に一人一人の患者様に向き合っていき、眼科的な技術向上はもちろん、眼科以外の領域にも見識を持っていく必要があると肝に銘じ難症例に向き合っていく必要があると実感しています。

今日…ある難症例患者様の手術を執刀しました。私の行った手術で、少しでも患者様の希望を与えられる結果になればと願います。もし結果に満足頂け無くても、心情を受け止められるクリニックでありたいと思います。