三島スカイウォークと紫陽花

2018.07.06更新

連日の夏日と台風が猛威を振るっている昨今。7月の声を聞く前に梅雨が明け…今年は最短だったようですね。夏場の水不足は大丈夫なんですかね?

 

梅雨がまだ明けてない日曜日…息子達を朝早く叩き起こして、静岡の三島まで紫陽花を見に行ってきた。日本最長の吊り橋がある事も、その場所に行くことを駆り立てられた要因。

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スカイウォークは、とにかく長い。行きはそんなに揺れなかったのに…戻る頃には人が増えてきたせいか?かなり揺れて酔いそうになった。

 

でも、一番の目的は…妻も私も紫陽花が好きだということ。梅雨と言えば…雨。しっとりと降る雨に映える紫陽花を見に行こうとなった。

 

紫陽花には…皆さんもよく目にする青〜藍色〜紫色系。赤色系。白色系と大きく分けて3種類の色があるそうです。私は個人的には、紫色が好きです。なんか神秘的で素敵な色。

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皆さんは…それぞれの色の違いが出る理由って知ってますか?知らないなら…その理由って気になりません?笑。もし興味があれば…

 

色のベースとなるのがアントシアニンの存在で、植物界には、多く存在する色素。ブルーベリー(特にビルベリー)にはたくさん含まれていて、その抗酸化作用で白内障の予防や眼精疲労に効くと言われているのは皆さんもご存知のことでしょう。

 

日本には、青色系の紫陽花が多い。理由は、土壌が酸性であることが大きく影響している。雨水には大気中のCO2《二酸化炭素》が溶け込んでいるので、日本の土壌の多くは弱酸性となっている。酸性だと土壌中のアルミニウムが溶け出しやすく、根から吸収しやすくなり、アントシアニンと結合し、青色系の紫陽花となるらしい。

逆に…土壌がアルカリ性だと、根からアルミニウムを吸収できないので、赤色系の紫陽花になる。

白色系の紫陽花は、もともとアントシアニンを持っていない紫陽花。

理由はどうであれ…どれも綺麗で素敵ですよね。皆さんも癒されると嬉しいです。

 

紫陽花の色を見るだけで、そこの土壌のPHが推察できるのは…なんだか面白いくないですか?これから紫陽花の見方も、少しは変わったりしませんか?笑

 

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ちなみに…私が今回一番癒された紫陽花が…
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薄紫色の紫陽花…どこか儚げで、やはり高貴な印象を受ける。

 

この紫陽花の名前に一般公募があった。

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真ん中の青色の花を取り囲むガクが王冠のように見えたので、『ティアラ』と命名してきました。私のネーミングセンスはいかに?笑

 

日本には、素敵な四季がある。忙しく生活していると…そんな四季に気付かずに毎日を過ごしている。四季おりおりで特徴的な植物を愛でる気持ちが、一年を…そして人生を楽しむコツなのかな?とこの頃は思う。私もそれなりに歳を取ったんだと思う。笑。近くラベンダー畑を。そして夏には、ひまわり畑を。春には桜の名所を…見に行くつもりだ。

網膜剥離

2018.06.04更新

網膜剥離を治すのに、硝子体手術と網膜復位術の2つの方法がある。当院では、2つの方法を最適に使いわけ、できる限り緊急対応している。

 

ある平日の午後外来での事。もう一踏ん張りで業務終了の頃。受付スタッフから…剥離が来ました。と

一瞬…?紹介なの?

 

良く聞いてみると…問診だけで、そのスタッフは網膜剥離だと見抜いたようだ。確かに…1週間前から右目の端がチカチカ光った後に飛蚊症が増え、数日前から一部の視野が暗くなってきた。またその視野欠損(左上方)は徐々に広がってきていると。外傷歴は無く…と。まさに問診は完璧で、私が聞きたかった内容そのものであった。そして年齢は30代…年齢が若いから近視が強いんですかね?とまで付け加えての報告だった…頭が下がる。

 

手術をする人間としては…剥離の原因裂孔の位置や形。年齢により術式を使い分けているのが本音。一通りの検査が終わり…網膜剥離チャートを私が描く事を知っているスタッフがその準備を無言で用意…助かる。剥離の時に、網膜復位術の可能性がある場合は今でも必ずチャートを描くようにしているからだ。

 

眼軸測定(目の大きさ)も手術をするのには重要な検査項目。うちでは、オーダーを出さなくても、散瞳する前にしっかりデータが揃えてくる。開院以来、一緒に数多くの網膜剥離と戦ってきた結果だろう。検査結果を見て、カットダウン時や縫合糸の通糸時に強膜は薄めとか普通で大丈夫だとかのイメージをつける。

 

そして…とっくに業務時間を過ぎてからのご家族、ご本人様に病態や手術術式のムンテラをする事に決まった。嫌な顔ひとつしない受付、看護部。暗黙の了解で、それぞれの部署で最低限のスタッフだけが残り、しっかり対応してくれた。自然とそういった連携も出来てきたようだ…助かる。

 

私は、業務に専念。何故か?若いのに、他眼はすでに単焦点レンズが挿入されていた。お話を聞くと、先進に入っていたが多焦点レンズのメリットを良く聞かずに、安易に単焦点レンズを選択してしまったと。剥離の起きているこっちの眼は、どうしても先進医療を使用したいと。先の手術での後悔や無念の念が強く感じられた。その事があり、先進認定施設であり、剥離も対応している当院を遠方ながら探し当ててくれたとの事であった。

 

私のやる事はすぐに決まった…準緊急でのバックリング手術で剥離を直し、落ち着いたら希望であるレーザー白内障手術をする事。

 

バックリング手術の利点と欠点をお話しして、硝子体手術の利点、欠点もムンテラした。まずは、網膜剥離をしっかり治さないと…後に行う白内障手術自体の意味が無くなるから重圧はある。もちろん再剥離のリスク、合併症についてもお話しした。

 

黄斑剥離は生じていない下耳側の網膜剥離であったため、翌日(火曜日)の予定手術の一番最後での対応とした。助手に入るスタッフ達は、いつものようにボリュームある予定手術を終えてからの対応…頭が下がる。

 

実は…その日の予定手術はいつも通りボリューミー。バックヤードで手術器具を滅菌するスタッフも…私の手術ペースを乱さずに迅速に丁寧に対応してくれた…助かる。

 

バックリング手術をしていると…改めて眼の解剖の大切さ、オペ室での眼底検査の能力、カットダウンの位置やバックリングを置くセンス、そして…強い精神力と強靭な肉体。全てが備わっていないと完遂しない手術なんだだと…感じる。

 

まだまだ、その能力や体力は維持出来ているようだ…翌日、バックリング上に裂孔がしっかりのっていて網膜下液がしっかり抜けていた。一安心。

 

ただし、レーザー白内障を終えるまでが、うちの仕事。こう言ったバリエーションのある要望に対応できるクリニックになってきたのは…やりがいを鼓舞されるのと同時に誇らしくもある。

 

私の原動力の根底には…やはり患者様のためにの思いが強いのだろう。そしてスタッフ達全員も…。

また、つい先日も黄斑剥離の20代の網膜剥離を手術した。典型例らしく、1ケ月以上前から異変には気付いていたが…放置。いよいよ見えずらくなり(黄斑が剥がれて)来院。気持ちは分かるけど、もう少し早く来院して欲しかった。なぜなら…黄斑(網膜の中心)まで剥がれてしまうと必ず歪み、視力低下が残るし、たとえ視力が回復しても…暗く感じるから。

手術は、今回もイメージどうりに終わった。硝子体手術と比べ体位制限が不必要だから社会復帰も早い。

 

今回、改めてバックリング手術の良さを再認識したと同時に、うちのスタッフ達の成長した姿やチーム医療の完成形を垣間見たようだった。私は…自分の体力と気力が続く限り、クオリティーの高い網膜復位術をこのクリニックで提供し続けていける自信を深めた出来事でした。

紫外線対策をしましょう

2018.05.06更新

先日、東京のとある医療誌媒体の会社から紫外線とサングラスについての取材を申し込まれた。私なりに日頃考えていたり、調べた内容を眼科医の立場から話させて頂いた…。

太陽光は、我々生物にとっては無くてはならないものであり、そこに含まれる紫外線には、UVC、UVB、UVAが存在していて、地球上に降り注いでくるのは後者2つらしい。そして日本では5月から9月までが一年で最も多く降り注ぐ時期だとはあまり知られていない。時間帯は午前10時から午後14時までで多く、薄曇りの日でも快晴時の80%の紫外線が降り注いでいるらしい。

 

紫外線と聞くと…多くの方が『日焼け』と言うワードが一番最初に頭に浮かぶかもしれない。程よく日焼けした身体や顔は、その人を活動的に、健康的に見せてくれる。

 

ただ、日焼けには『サンタン』と『サンバーン』の2種類が存在する。前者は肌が黒くなる状態で、誰もが一度は憧れる?。後者は、肌が赤く熱感を帯びヒリヒリ痛くなる状態。最悪の場合は水膨れも生じる。いわゆる火傷で急性炎症を起こした状態。数日後に皮膚がボロボロと剥けてくる。主に作用する紫外線が違っていて、前者がUVAで、後者がUVBと言われている。

では、UVBをしっかりと対策してUVAなら大丈夫なのか?実は、UVAはエネルギーこそ弱いが(UVBより)皮膚の深層にまで到達するため、女性が最も嫌がるシミやシワ、たるみの発症原因となる。そして両者とも長時間、長期間浴び続けていると皮膚癌を発症するリスクが上昇する。

 

どうやら…両方対策した方が良さそうだ。参考までに…サンタン(UVA)対策にはPA値の高い日焼け止めを、サンバーン(UVB)対策にはSPF値の高い日焼け止めを使用しましょう。
そして、ビダミンCは日焼け後の身体には嬉しい栄養素であることを付け加えておく。

 

では、本題。眼には、紫外線はどうなのか?

 

実は、眼もしっかりと紫外線対策をしないといけない。紫外線が原因と考えられる疾患を羅列する…電気性眼炎(雪目)、瞼裂斑炎、翼状片、結膜炎(充血)、白内障、黄斑変性など。

雪目は、スキー場や海水浴、電気溶接などで長時間紫外線にさらされ角膜に傷が出来た状態。ゴロゴロして目が開けていられないくらい痛くなり、充血などで、発症が6〜10時間後だから夜間救急に受診する羽目になる。しっかりゴーグルやサングラスを使用しましょう。

身近なところだと…この時期からのドライブ。車のフロントガラスは耐久性と割れた時の飛散防止目的に合わせガラスとして中間に樹脂製の膜が使われているようで、ほぼ紫外線をカットしてくれているらしい。サイドガラスは、車種により様々なようで、先に述べた時間帯には窓ガラス側の日焼け対策とサングラス着用をお勧めする。

 

ゴルフされる方も…1年中しっかりサングラスを使用してください。翌日、ゴロゴロや充血に悩まされたり、瞼裂斑炎、翼状片、白内障や黄斑変性になるなんて嫌ですよね。

 

サングラスは意外と勘違いされている。色の濃いレンズが良いサングラスでは無く、ぜひ紫外線透過率という値を確認してください。99%以上カットのものを選び、色は薄めでも透明でも構いません。顔との隙間にも注意をしてください。しっかり自分の顔のサイズにあったサイズを選び、フレームは厚め、目をしっかりと覆うタイプを選択して、帽子を被ったり、日傘も併用しましょう。ゴーグル型ならなお良いでしょう。紫外線は四方八方から侵入してきますよ。

 

最後に…適度な紫外線は、我々の身体の中でビタミンD生成を促しカルシウムの吸収を助け骨を丈夫にしてくれます。また乾癬やアトピー性皮膚炎の治療にも応用されてもいます。対策をして、上手く付き合っていくのが一番良いかと思います。

今回のブログは、ある医療誌媒体からの取材時に、紫外線対策について質問されたのがきっかけです。読んでくれた皆様が、少しでもサングラスについて正しい知識を持ってもらえる一助になれば幸いです。

知り合いの手術

2018.04.02更新

桜満開!春ですね〜。今年は花粉症がかなり猛威をふるっていますが、皆さん大丈夫ですか?また気温の変化も激しい時期なので体調管理にはお互い気をつけましょうね。

 

開院して…新たな知り合いや友達も増え、有り難い事にその方々から手術や診察を頼まれる事(相談)も増えてきた。私の知識や技術でお役に立てる内容であればと…祈る。この心理は、紹介状を持参された患者様(他院からの手術依頼時)や、初診患者様と初めてお会いする時にもいつも根底にある心理。また、知り合いだからとかで…特別な対応はしていない。

 

ほんの一例だか…。
先日、脳出血後の複視で悩んでいる知り合いを診て欲しいと…。眼位検査や眼筋運転の機能評価をする特殊検査をして、今後プリズム眼鏡で対応する方針を説明させていただいた。

また、緑内障でクリニックに定期的に通ってくださる患者様からは、本当に眼で困っている知り合いがいて、一度遠方だが診てくれないか?と。後日拝見すると…片目が黄斑変性で瘢痕状態。他眼が末期緑内障状態。こんな時は、一日も早く再生医療の技術が臨床現場で当たり前に使える日々が来るのを心の中で渇望するだけの無力な存在となる。と同時にタイムマシーンかなにかがあって、過去に戻れるならせめて片目だけでも視力を維持出来るようなアドバイスや治療が出来ればと…妄想する。現時点での医療では限界の状態だと説明し現状維持をと話す。黄斑変性症や緑内障、糖尿病など失明に繋がる疾患は…プライマリーケアやムンテラが本当に大切だし、長い付き合いになるからこそクリニックの果たす役割は大きいと思う。途中で脱落する患者様にも責任はあるが…我々医療人がしっかり理解させているのか?治らないが維持する事は充分に可能だと教育出来ているか?反省する点は大いにあると思う…。

 

そして…私への手術の相談は、実に多岐にわたる。

単純な白内障手術から硝子体手術。先日、友人の知り合いが網膜の病気で手術が必要と言われたが先生がしてくれないか?と相談を受けた。診察すると黄斑円孔。もちろんうちでも治療出来るしその治療方針が変わるはずも無く…手術が必要な事とガス(空気)を使用する必要があるため一定期間の体位制限(伏臥位)が必要だと話し、いつも通りに病期の判定をしてその段階での初回治癒率を話す。点眼指導や生活指導は、スタッフが別室で丁寧に話してくれる。

 

私の経験上では閉鎖しなかった事が無い大きさ。今のレベルなら合併症の発生率もほぼ皆無だが、術後感染症の可能性や網膜剥離の可能性についても話す。では、明後日の予定手術で…と決まった。

 

お忙しい人のようで…その後手術は3週間後となった。円孔の大きさからして、延期は問題無いと判断した。

 

結果、手術は問題無く終わりすぐに伏臥位を指示。翌日の診察でも経過良好と判断。黄斑円孔が閉鎖するかどうかは…あとは時間の問題。一安心。

 

決められた再診時(閉鎖しているであろう時期)に、網膜の写真を撮ってから診察の流れ。写真を撮ってくれたスタッフから先生閉鎖してません!と報告が入った。言葉を疑ってすぐに画像を確認したが…。確かに閉鎖していない。手術はいつも通り何も問題なかった事を頭の中で再確認。何度も。伏臥位もやってくれていたはず…。

 

ガス(空気)はまだ5割残っている。診察もせずにすぐにリカバリー室で伏臥位を夕方まで指示。絶対に閉じるはず…。夕方再撮影してみると…今度はしっかり閉鎖していてハッピーエンド。笑。

 

総括すると…術後の伏臥位が疎かになっていたんだと分かった。後日、体位制限によって首や肩が凝ってしまい2日目にマッサージを受けに行ったんだとバツが悪そうに話してくれました。今となっては笑い話。

 

以前、知り合いのDr や医療人の増殖性糖尿病網膜症に対し硝子体手術を複数人に施行した事があります。もちろん白内障手術だけを執刀することもあります。ただ皆さん決まって…術後管理や点眼の重要性、再診の必要性を分かっているようで疎かになる傾向が見受けられます。一般の患者様よりも。私も他科にかかると…そうかもしれませんが。笑。

これからも、いろいろな方がいろいろな眼の方をご紹介していただけると思います。手術が必要なら、変わらず全力で対応します。同業者や知り合い、友達など変に遠慮しないで、しっかりムンテラ、生活指導、場合によっては注意もしていきたいと思います。同業者だと…少なからずスタッフや私も遠慮や暗黙の了解が入る可能性は否めませんが…。

そして、4月1日から正式に常勤スタッフ(仲間)が…また一人将来有望なスタッフが加わります。学生時代から時間のある時にクリニックに顔を出してくれて、出来る事を手伝ってくれてました。他のスタッフ同様に、患者様本位に考えられるスタッフになってもらえたらと思います。働いていれば、いろいろな事があると思いますが、彼女なりに目標を持ってやりがいを見出して成長してもらえると嬉しいです。全ては患者様のために…。そして、いっぱい、いっぱい患者様の笑顔をこれからも一緒に見ていきましょう。

また…初心に戻って(祝4周年)

2018.02.12更新

おかげ様で…開院記念日をまた1つ積み重ねる事が出来ました。早いもので5年目に突入。去年は石垣島、今年は香港で。自分自身を冷静に見つめ直すため…そして進むべき道を再確認するために、この時期は家族にわがままを言って一人旅に出かける事にしている。行き先は心の赴くまま…。今回は、そんな旅先からのブログ更新。

 

そんな一人旅を画策している矢先に…実父のレーザー白内障手術を先日執刀した。しかも両眼同時に…。話の流れで、私の記念旅行に父親も一緒に行く事になった。笑。

そもそも私が医者になろうと思ったきっかけは、自分自身が病気になった事でスポーツ系の業界に進みたかったその未来(進路)を見失って自暴自棄になっていた高校時代に、身体にハンディを負った当時の主治医に勧められた事。始めは、冗談かと思っていたが、診察の度に真剣に背中を押してくれた。その時に貰った言葉の一つに『病気の苦しみや辛さを味わった人間が、本当の意味で患者様の気持ちや不安な心に寄り添えるんだよ…良医になるには自分がその病気になれば良いんだよ。ほら、もう条件を満たしてるよ』って小児麻痺で動かない左腕をさすりながら、その人は優しく諭してくれた。この人は、幼少時からこれまでにどれだけの辛い、悔しい思いを抱えて生きてきたのだろう?…。

 

今でも『その言葉』は、私の宝物であるのと同時に、私の医師としての原点となっている考え方です。医学は決して万全では無いし、身体の神秘はまだまだ解らない事だらけ…本当の意味で患者様の不安なんて満たせないと思う。ただその隙間を埋めるのは医師の情熱だったり、持っている素質(人間性)だったりすると真剣に信じている。

 

医師としてのキャリアで自身初の身内の手術。それも開院しなければ…習得しなかったであろうレーザー白内障手術。ただ、不安は一切ありませんでした。私が医師になって…大切な人や身内に勧めない又はやらない治療は絶対に患者様(他人様)にもしない。そう決めて眼科外科医として初めて手術を執刀。ずっと続けている信念であり、その信念に基づいた経験が…今の私には沢山備わっているから不安が無かったのです。逆に、私は普段の患者様の手術の方が緊張してますよ。

 

医学は日進月歩のスピードで進化していて、当たり前だった事や定説だった事が…一夜にして変わってしまう事だってある。だけど、その時々に正しいと判断した治療を…身内にも薦める治療をやっていきたいのです。その時のベストの治療法を提示したいのです。提示出来るクリニックであり続けたいです。考え方や治療法もいつまでも同じなんてあり得ないし、馬鹿げてますよね?

 

今現在、レーザー白内障手術の技術に対し…欠点は見受けられません。術後の仕上がりもほぼ完璧です。その高い技術力と双璧を成すのが…プレミアムレンズ。相性は本当に良いです。メガネフリーの生活が手に入る確率が本当に高いマッチィングの一つです。老眼治療にも使えるほどで、自分が受けたいぐらいです。笑。特に現時点でEDOF3焦点レンズ(mini well redy)は最高峰かと。

 

実父は、先進医療を利用した手術(2焦点レンズを使用)をしました。はじめ…3焦点レンズをと思いましたが、すぐに自分の医師としての考え方に反する事だと気がつきました。父親は、今や年金暮らしで高額な自費診療を望むような人では無いのです。うちでの患者様も先進医療を利用される方がほとんどですし、仮に父親が自費分を負担する意思があったのなら3焦点を使用していたのかもしれません。結論は、自分の親だけ特別な事(不公平)をするのが嫌だったのです。患者様(親であろうと)の前では、常に平等なフラットな医師でいたい…。

ただ息子として、育ててもらった恩や情があります。本当に手術中終始平常心だったか?は想像にお任せします。今現在の私が眼科医として持っている2焦点レンズやEDOF2焦点レンズの欠点を補うアイディアや使用経験からくる勘を大いに利用しました。誤解のないように…いつも患者様にやっているうちの治療と何も変わらない内容です。笑

 

ただ、せっかくの機会なので、父親にいくつか甘えさせてもらいました…一つは、初めて両眼同時のレーザー白内障手術をさせてもらう事。普段、遠方(名古屋)で暮らしているのもありますが、今後、患者様に勧めた時や質問された時に、その経験が無ければ自身を持って私やスタッフ達が答えられないのが嫌なんです。多種多様な患者様の御要望にお答えしたい。言葉を変えれば…恩師(当日の主治医)は、医師にとって経験こそ最大の教科書なんだと…教えてくれたからなのです。経験に勝るものはなし。驚く事に…父親は手術間もないリカバリー室で、既に別世界のようにはっきりくっきりと視界が広がっていたとの事でした。本人は凄くびっくりしていました…医学の進歩に。私もスタッフ達も一安心。

 

二つ目は、サプライズで普段東京にいる兄を手術後に呼び寄せ…食事会と称し父親にお酒を飲ませる事。痛くなるのか?傷はうずくのか?笑。患者様には、手術当日の飲酒は禁止しているので…実際の反応を見てみたかったのです。兄も医師なので身体の方はお任せ。なんて…私の心配をよそに拍子抜けするぐらい何も変化がなかったようです。

 

今回、先進医療を用いたレーザー白内障手術の両眼同時手術を体験しました。多分…経験した術者はいるか?数えるほど…かと。本当に貴重な経験を積めました。当たり前ですが、(片目の手術後よりも)手術後は一気に別世界になるとの事です。当日夜から両眼で遠くも、近くも不自由なく見えるとの事で、翌日診後に大変喜んで名古屋へと帰っていきました。

 

当院に、もしオラ(術中診断装置)がなければ、ノウハウがなければ…両眼同時の手術は絶対にしないと思います。度数ずれが怖いから…。でも、当院は一般の患者様にも、これで自信を持って解禁。いち早く社会復帰したい方や、忙しくて時間が作れない方…レーザー白内障手術でも柔軟に対応致します。しっかり相談、個別に説明させて下さり。既に保険診療では対応しています。(前作のブログ)患者様にとって、良い事だと信じているから…。

 

でも、多焦点レンズ…夜間のハロー、グレアはどうしてもあるみたいですよ。欠点は必ずあるんです…しっかり理解してからどんな手術も受けて下さい!

 

後日…父親が手術体験談を書いてくれました。レーザー白内障手術を受ける方や受けたい方、興味のある方はぜひ一読ください。同じ患者様の目線での感想なので、参考になると思います…クリニックに置いありますので、お気軽にスタッフに声掛けしてください。あと、術前検査から手術後まで…一貫してスタッフ達を誉めてくれました。親切で優しいと…特に手術当日リカバリー室を担当してくれた婦長さんには、対応が本当に素晴らしかったと驚いてました。私からも感謝したいです。ありがとう!

 

さぁ!、連休明けからまたスタッフ一丸となって患者様本位のクリニックになるよう尽力します。眼でお困りの方は、我々にぜひ御相談して下さい。最善な方法を一緒に親身になって提案させていただきます。

 

手術を受けた父親は73歳。目が若返り、ますます意欲的に、楽しく老後生活を送れるようなった事でしょう!旅行中そんな元気を…私の方がもらいました笑。

両眼同時(同日)手術

2018.02.02更新

明けましておめでとうございます。随分と…ブログ更新が滞ってしまいました。ネタが尽きた訳では無く、クリニックや個人として色々試してきた事が少しづつ目に見える成果としてあらわれてきたので…ブログ上でアップしていきますね。でも今年は本当に寒いですね!開院以来の大雪!インフルエンザも猛威をふるっているようですが…皆様体調はいかがですか?

 

クリニックとしては、2018年から…ある事を本格的に実践しています。保険での白内障手術を希望者に限り、両眼の同日手術としているのです。うちでは、希望者は全員。適応は設けていません。一般的には…片目づつ。間隔は1週間空けて行うのがスタンダード。

私個人としましては…勤務医時代に全身麻酔下での両眼手術(条件付きの患者様に限り)を多数例経験していましたし、翌日の患者様の感動する姿やより喜ばれる姿を目の当たりににしてましたので、条件を無くして希望者全員にいつか実践していとおぼろげに考えていました。メリットの一つに…とにかく患者様の社会復帰が断然早いからです。

 

と言っても…慣習や慣れ親しんだ方法を変えるのはリスクとストレスが掛かります。笑。

ある年末近い去年の12月に、他院では免許更新がどうしても間に合わない患者様が、どうにかして欲しいと…相談に来たのがきっかけです。うちも手術枠いっぱいに予定手術が埋まっていましたが、リスクをお話しして納得されたので、両眼手術で対応させて頂いたのが始まりです。

では、両眼同日手術のリスク?は何だと思いますか?

私は、感染症のリスクヘッジさえしっかり行えば、患者様にはメリットしかないと考えています。実際は…保険診療であるためクリニックの売り上げは目減りするので経営者としてはどうか?と頭の片隅には思いますが…患者様主導の考えでいたい院長、医師の立場からは大賛成なのです)

あと付け加えるなら…レンズ度数ズレのリスクでしょうか?うちはオラ(術中診断装置)を導入したこと。またその精度(私のラーニングカーブが整ってきた)が高く信頼に足りるツールとなってきたため自信を持って柔軟に対応出来るんだと思います。

 

体験された患者様が増えてきた日常診療…感謝の言葉をより頂けるようになった事や本当に感動され喜ばれている姿は、予想以上でした。Dr 冥利に尽きます。手術後には両眼同時に明るくなるし、バランスも良くなるので…別世界になったとよく表現されます。

 

今のスタッフ達は、こういった私が提案する変化球にも…レセプト訂正や点眼および生活指導の変更(手間がかかること)にも迅速かつ確実に対応してくれます。器械の準備もしかり。また、より患者様にとって良いアイディアを自発的に考え実践してくれています。私の目指すクリニック体型を本当に理解してくれてきたようだし、みんな患者様の笑顔が好きなんでしょうね。

緊急手術対応含め…これからも可能な限りスタッフ一同患者様主導のクリニックであり続けます。

 

先週…名古屋に住んでいる実父の両眼同時のレーザー白内障手術を執刀しました。レーザー手術の両眼同日は当院で初でした。結果、本人は大変満足して名古屋に帰っていきました…次回その詳細をお伝えしますね。

職人

2017.12.11更新

先日、東京の某有名鮨屋でランチを食べる機会を得た。世界に誇る日本の江戸前鮨。予約しないでも、運良く最後の2枠に滑り込めた形だ。

 

定刻から7名枠限定(カウンターのみ)で、ランチがスタート。それまでは、テーブル席で待たされていて、いよいよでカウンター席へ誘導される。準備の段階で、お弟子さん達を叱る雰囲気や大将が醸し出す緊張感が半端ない…。

 

カウンターに座ると、まずは簡単な好みや苦手な食材や食べれない食材がないか…大将自らがヒヤリング。幸い好き嫌いのない我々は『全て大丈夫です。お任せで…』お酒も飲みたかったが、ランチタイムだったのと純粋に握り鮨を堪能したかったから自重した。

私のお隣さんは、常連さんらしく…『大将いつもの』の一声で、お酒と供にお刺身から供されていた。日本酒に合いそうな肴が次々と…。美味しそう。

他は、東南アジアの外国人達。観光ついでにガイドブックを見て、この店に来たようだ。随所にカウンター越しに英語が飛び交う。ネタの説明など大将も自ら英語で…。生粋の鮨職人でも日常的な英会話ぐらいは必須な時代。激務の中、大将は英会話スクールに通ったのかな?独学?なんて想像する。笑。

何故か?一貫目のネタがどうしても思い出せない…。高級鮨屋の雰囲気に飲み込まれていた?どこに行っても割りと緊張しないタイプなんだけど…。

 

握り鮨を供された瞬間に、間髪入れずに口に放り込む。舌にしか味覚が無いので…口に入れる直前でネタが舌側になるよう反転させて食す。美味い…。ネタはさることながら、シャリとのバランスが絶妙。

 

次々と至高の握り鮨が供されていく中…今でも記憶に残っているのが…アジとコハダ。

アジ…鯵。今まで食べてきた鯵とは別物と思うほどの一品。感動のピーク。我々が顔を見合わせて驚嘆しているその反応を見逃さずに…大将が、鯵は一番美味しい魚なんですと教えてくれた。名は体を表していて…漢字で魚へんに参る。あまりの美味しさに参ったということが漢字の成り立ちなんだと。

 

コハダはその店の技量が分かるネタだと聞いた事がある。酢締めや塩加減。小骨処理したり仕事が繊細。江戸前鮨では避けて通れない王道ネタ。実はコハダは…唯一あまり得意じゃないネタ。でも食してみると…こんなに旨味の強い魚だったの?とコハダの良さが引き出された握りとなっていた。

他に、エビも絶品。軽くスモークされたカツオ、中トロも笑いが出るほど美味しかった。

最後に玉子焼き。砂糖や膨らし粉は一切使用していないとの事。なんでこんなに甘くてふっくらとしているのか?訳が分からない。

追加で、大トロとエンガワを注文して至福なランチタイムが終了。時間にして90分くらいか?

 

短い時間だったとはいえ、世界に認められた名店のこだわりやプライドを随所に感じた貴重な体験でした。また、大将が話してくれた仕事に対する考え方や厳しさは、今や失われかけてきた日本の…日本人本来の良さを強烈に放ちながら実直に努力してきた人間だけが出せる重みのある言葉達でした。一期一会…職種は違えど、参考になる話が多くお腹も心も感動でいっぱいとなりました。

 

特に印象に残っている言葉に…『もういつ辞めても良いぐらい全てを犠牲に働いてきた』鮨を握るその右手首はもうボロボロなんだと。そんな本物の職人に…私も成っていきたいと思いました。

オラ

2017.11.05更新

この頃、時間の過ぎるのがとにかく早い!そんなふうに感じている人は私だけではないのでは?私は、多分夏休みを…夏らしく過ごせなかったために身体がまだまだ残暑を求めているのかな?自分の感覚ではまだまだ9月。でも日増しに寒くなってきたし、気がつけば11月…。

でも、クリニックでは無駄に時間が過ぎてきた訳では無く…9、10月に入りクリニック全体に余裕が出来てきたのを感じています。スタッフ達も感じている感覚なんじゃないかな?外来や手術も、いつもより件数や難しい症例が多くなる日も増えているが、定時に終わる事が多くなった(しっかり休み時間が取れる)し、以前のバタバタ感が無くなってきた。各部署のリーダー達や他の職員達との連携や報告、相談がしっかり出来るようになってきたからだと思う。そして、何より患者様に親切で本当に優しいスタッフ達の集団に近づいてきたからだと思います。

 

先月は、レーザー白内障手術、白内障手術、緑内障手術など全ての手術件数も多く、硝子体手術だけで20件近くを執刀したが…何も無理をした感覚は無く、休み時間もしっかり確保出来ていて、緊急手術時には(剥離オペ)ランチビトレクトミーを当たり前にさせてもらえている。外来診察も穏やかな雰囲気で診察に集中できる状況が整ってきた。オーダー漏れや失礼な順番飛ばしなど…患者様を以前のように無駄にお待たせる事も無くなってきた。なんか良い感じ…。

 

そこで、更なる下之城眼科のステップアップを目指して…

 

オラ(術中診断装置)を導入する事に決めました。現行の方法(導入しないまま)では、どうしてもどの施設も抱えている弱点を、うちはより少なくして、更なる白内障手術の質の向上と術後患者様満足度を上げるために…。

 

 

先月…レーザー白内障で一区切りの目標と考えていた100眼の手術件数超えを達成できました。私の予想よりもずいぶんと早く…。導入に踏み切った自分の判断は間違って無かったんだと凄く自信になったし、その需要の多さを実感したからこそ…オラ導入の必要性を痛切に感じてきました。

 

オラシステムは、屈折情報を術中リアルタイムに測定できる日本初の装置で、より精度の高い手術をサポートしてくれます。白内障治療における眼内レンズ(以下「IOL」)の挿入術時に使用される術中診断ツールで、術中リアルタイムで患者様の屈折情報が把握できるため、より最適なIOL度数および固定位置が選択、確認ができるため、術後の見え方に対する患者様満足度をさらに高めることが可能になります。今までは、白内障手術で術前検査の結果からレンズ度数や固定位置を事前に決定していたのですが…切開の位置や濁った水晶体を除去することで目の状態が変化するため、術前に設定した度数や固定位置と誤差が生じることがあります。

 

特に多焦点および乱視用のIOL移植時においては、僅かな差が結果に大きな影響を及ぼす可能性が高いため、より正確なデータを使用することが望まれています。(現実的には、術前検査のデータは、その人の白内障の程度やその時の角膜の状態などに強い影響を受けるため、誤差が出やすい状態だと分かっていても、残念ながらその結果が分かるのは術後)大きくズレていた場合、確実に患者様満足度は低下するのは、容易に想像がつきますよね?

 

要は…乱視矯正やプレミアムレンズにも力を入れている限り、ベリオンと伴に患者様満足度を上げる(術後視力を上げる)のに、あったら百人力のツール(度数や位置ずれを極力少なくする)かと考えています。術前検査の情報だけでは無く、術中に測定してダブルチェックする…自分も手術を受けるならIOL挿入前には、オラで確認して欲しいと思います。

 

聞いたところ…ベリオンの時みたいにラーニングカーブがある技術なのと、どこまでIOLの多種類の度数の在庫をオペ室に置いておけるか?(委託契約が必要)

 

今、現在順調に稼働しているベリオンの精度もかなり高いので…術前検査データにバラツキが出た場合や経験でバラツキの出やすい症例、他の屈折手術を以前に受けた眼(特にLASIK術後眼など)に当面は限定して使用する予定です。プレミアムレンズは当たり前にトーリックIOL眼にも、いずれうちの必須の確認作業に出来れば…とイメージだけは先行しています。

 

この器械は、一切デモが出来ない代物なので…購入した施設でしか実際のところ使いやすさや欠点は分からないのです。笑。でも、期待感を持って、感覚を研ぎ澄まして自分なりにオラの技術と向き合っていきたいと思います。

 

レーザー白内障手術の欠点や利点、ベリオンの欠点や利点も自分で使い始めたから…気づいた点も多々あります。オラも私なりに使用して、自分の手術技術と良いところ取りをして、より患者様満足度向上にお役立てできればと考えています。一人でも多くの患者様の笑顔がこれからも見たいから…。

デモ

2017.09.16更新

 

当院では…今秋、いろいろな機器のデモをしています。

先日までは、パスカル(域値下レーザー付き)を使用させて頂いていました。従来の網膜レーザーは、とにかく痛いし、後の瘢痕の増大が課題でした。パスカルを使用した汎網膜光凝固は、パターン照射が可能なため完成させるのも早く、テクニカルな特性で痛みがほとんど無いとの事でした。実際の患者様も楽だと言ってました。

その技術もさることながら…私が一番注目して期待したのが…域値下レーザー。黄斑浮腫に対し、域値下レーザーの効果は昔から論文で目にしていましたので…。今回デモ期間中に3例の患者様にグリッド照射してみました。効果は今後判定となりますが…本当に効果があるなら投資する価値ありですよね。

 

 

そして、今手術室が大変な事になっています。A社の出先ブースかと見間違うほど…レーザー装置もあるため記念撮影ものです。笑。

ご好意に甘え…顕微鏡装置から白内障専用機械。そして次世代硝子体手術システムである3D装置をデモさせて頂いています。

 

 

正直、新しい機械とその技術力を目の当たりにすると…テンションは嫌でも上がってしまいます。術者のサガですかね?

 

 

 

 

ここからは、実際に使用してみた私の個人的な感想です。

 

普段使用しているツァイスのルメラTよりも白内障手術だけなら、ルクソール(デモした顕微鏡)は、焦点深度が浅いため扱いやすいと感じました。見え方は問題ないです。少しレスポンスは遅いかな?

白内障専用機械であるセンチュリオンは…とにかく前房の安定性が良く、より手術を簡単により安全に出来ると実感しました。コンセテレーションの白内障手術に何ら不満がないため…私には不必要かな?セッティングや片付けなど準備をするスタッフ達には簡単なのでメリットはあるかもしれません。ただ、一点残念なのは、硝子体カッターが23Gしか使用できないところ。25Gで全例処理している私には、23Gは…。

初の出向先でマレニアムという機械があったため、マレニアムで覚えた白内障手術…前房保持を考えてフットスイッチを踏み込む感覚。なるべく閉塞後のサージを起こさせない左手の使い方など感覚を研ぎ澄ませていた記憶があります…が、今の機械には不要な長物なのかな?何も考えてなくても踏み込んでいれば勝手に安全に処理してくれる。それはそれで安全に手術出来るので良いことなのですが、機械の技術向上に反比例して、術者の技量が向上しない可能性はあるのかもしれませんね。

最後に3D硝子体手術。日頃良く行っている黄斑前膜の症例で使用してみました。はじめ深さの感覚が掴みにくかったのですが…ピントをしっかり合わせる事に慣れると立体的に見えるため、黄斑の膜処理は想像よりも容易でした。色補正技術で膜を際立たせる技術は秀逸でした。私は、周辺部の硝子体処理時に自分で眼球を圧迫した感覚とカッターの深さの感覚が掴みにくかったです。慣れれば大丈夫なのかな?早い動きには、画像が実際よりも遅れると聞いていましたが、すぐに改良、改善するとの事です。私の想像ですが、現行型だと白内障手術で、特にIA時には不具合が生じるのかな?デモ期間中に、白内障手術も体験してみるつもりです。

昔から…新しい機械、デモ機に順応するのは得意な方です。より良く改良されているため驚きと楽しい感覚だけを与えてくれます。

 

 

今回、多くの手術装置を同時にデモさせて頂けたのも…硝子体手術からレーザー白内障手術、ベリオン白内障手術といつも全力でサポートしてくれるアルコン社のおかげです。今後とも、下之城の患者様のためにより良いパートナーシップを構築していけたらと思います。そして…オラ。一番欲しい装置です。

詳細は、後日ブログで…。

 

 

 

 

講演

2017.07.26更新

先日、レーザー白内障手術(FLACS)の第一人者である七里眼科院長の山崎先生が主催する勉強会に参加してきました。

なんと…今回は私も演者の一人として招待され、僭越ながら当院の取り組みを発表させて頂いた。まだ、導入して80眼にも満たない術者の話なので…実際のテクニカルな話よりも、下之城眼科クリニックに導入した経緯や経営者や術者としての葛藤から決意に至るまでなどを中心に、今後導入を検討している先生方の参考になればと思い引き受けさせて頂いた。

ただ、講演を引き受けた本当の理由は…私にレーザー白内障手術をリリースしてくれて、今でも気軽に相談に乗ってくれる山崎院長に対しての恩返しのつもり…であった。

その会は年に2回、ある金曜日の19時30分から原宿の南国酒家さんで開催されている会で、今回が通算11回目になるそうです。私は、お声掛けを頂いてから3回目の参加となるのですが…いつもアットホームな雰囲気で楽しく、うちのスタッフ達まで参加させてもらってます。保坂君は、私と同じ皆勤賞。常連になりつつあります。笑

個人的には、山崎先生夫妻に会える機会なんだと楽しみにしていたりします。

 

レーザー白内障は、まさにチーム医療。受付や検査員、看護婦など全職種のスタッフ達にも必要な勉強会だと思って、うちのスタッフ達を気軽に誘っているし、いつも温かく迎えてもらえています。本当にありがとうございます!

 

今回4人ものスタッフ達が参加してくれて、一緒に私の発表を聞いてくれた。行きの道中。そんなスタッフ達を労いたくなり、新宿で途中下車して、高島屋の千疋屋フルーツパーラーで、しばし歓談。フルーツの甘さと美味しさに癒されました。美味しいかったね〜。

 

会場では、医局の先輩であるスカイビル眼科院長の秦先生(同じ日に講演されました)、ある時期一緒に出向病院で苦楽を共にした羽藤先生とばったり。懐かしいさや嬉しさで昔話に花が咲きました。それぞれが昔と肩書きや立場は変わったのですが、アンチエイジングなのか?昔と全然変わってないねって笑い話になりました。あの時も一生懸命、無我夢中に働いたから…今がある。

 

開業してから、医局の先輩や後輩達に会う機会が年々減ってきた印象です。だから…東京などに勉強会に行く時は、手間や労力はありますが、誰に会えるのか?楽しみの一つなんです。その時に胸を張って近況報告出来るように、一日一日を大切にしたいです。

後日、講演内容を山崎先生から個人的にお褒め頂きました。これまでの頑張りを認めてもらえたようで誇らしくもあり、これからも継続していく励みになりました。

今回の経験を通して…何か新しい事を始めるのは、本当に大変な事です。想像以上でした。ですが…『患者様のため』とぶれない信念を持ち続け、ゆっくりでも歩んでいけば、必ず分かり合える真の友に出会えるし、スタッフ達にも響いていくのだと思いました。

その考えは、プライベートでも一緒なんだと思っています。個人的に、やりたい事や挑戦したい事が山ほどあります。24時間では足りないぐらいです。笑。

また、人の出会いには、本当に恵まれた人生だと実感しています。年を重ねる毎に…私の周りには、素敵な仲間や友達が増えています。もちろん、スタッフや患者様との出会いも含め…。